卒業R(前)

 「♪蔦のからまるチャペルで〜」や「♪薄紫の藤棚で〜」の時代から「援助交際」の現在まで、女子高生というのはいつもブランドとして存在してきました。
 一方の男子高生はといえば、戦後の場合、せいぜいが舟木一夫による一連の学園ソングに微かに漂うばかり。
 男社会において、女子高生には商品価値があり、男子高生にはないって話。そういえば私のワープロ、女子高生は出るが男子高生は出ない。
 お約束としてセーラー服。もっとも近ごろの制服は、当の女子高生のニーズに合わせてブレザーが増えているけれど、ヤッパ、セーラー服は男にとっての女子高生の基本。
 セーラーマンのユニホームを女子高生が着ている、トランスジェンダーなノリ。しかもそれは制服ですから、強制的にコスプレさせているのと同じこと。なおかつ日常的には不自然な、上着の丈の微妙な短さ。そこには制服ならぬ征服欲が見え隠れ。セーラー服の女子高生に男たちは、聖的なものと性的なものを同時に見たがっているわけ。
 コギャルすら蕩尽しつつある近ごろでは女子高生のそうした価値も消失しているようには見えますが、いやいやなかなか、そうでもないでしょう。
 このソフトには「援助交際」は出てきません。けどセーラー服の女子高生(のフリをしているモデルさん)は満載であります。

1996/06/19


卒業R(後)

 三年生になった女子高生の担任となり、進路相談から人生相談、校外での見回り色々やって無事卒業させるのが使命。場合によっては卒後結婚も。パソコン版の頃からこのゲームがヒットした理由はもうお解りでしょう。禁断の園(おやじ的単語や)へ先生であるあなたは堂々と潜り込み、女子高生を指導できる。番台に座るのが男の夢なんてのが昔ありましたが、番台と違って、この場合女は殆どすべて女子高生であります。当たり前だが。
 そういう所へは、関係者以外はめったなことでは入り込めません。せいぜい可能性としてあるのは、友達の娘が女子高生である場合、学園祭の時に友達に付き添って、父兄のフリして潜り込むこと位か。
 このソフトのタイトルに「R」がついているのに注目。リアルの略なんですが、その意味は、女子高生が実写であるってこと。本来の「卒業」の場合、女子高生たちはアニメでした。それが今回は実写撮り込みを試みている。生身のモデルさんがセーラー服やブルマ姿で登場してくれたはるんやね。元々のファンたちの多くからはブーイングの声も。けど、そのブーイング、2Dオタクだから生身は嫌だとか、「イメージと違う」ってのだけやなく、ホンマの女がホンマのセーラー服を着ている姿を、「卒業」なるゲームで見せつけられることで、プレイヤーの欲望までがリアルになることが嫌や、もあるのではなかろうか。

1996/06/26