アークザラッド2 (前)

 クソゲー。説明しますと、この言葉は「くそみたいなゲーム」の略。そしてクソゲーはゲーム世界に沢山ある。もちろん人にはそれぞれ妙な癖があるから、殆どの人にはクソゲーでも、自分にはいいゲームなこともある。
 このソフトの前作、「アーク ザ ラッド」は、クソゲーの名をほしいままにした。「アーク」を庇えば、これは決して優れたゲームではないけど、斬新でもないけど、巷のRPGの中に置けば、Bの中くらいの出来ではある。そしてそのレベル以下のソフトは死ぬほどある。せやから「アーク」だけが、ボロクサ言われるのは可哀想。けど、「アーク」はプレイステーションが満を持して発売した、プレステ初のRPGやったもんで当然のようにみんな買った、買った、買った。もちろん私も予約いれて、発売日に買った。買ってすぐにプレイした。のに、
 そら怒るわな、あんな出来やと。バトルは簡単すぎるし、物語もイマイチやし。けど、それよりなにより、「アーク」がとんでもなかったのは、ゲームの三分の一位にさしかかったな、ここで課長クラスのボスを倒して、次へ進むのやなと予想して、余裕をもって簡単にそのボスを倒したとたん、ゲームが終わったことやね。これにはプレーヤーのみんなが愕然としたはず。
 そして「アーク」の続きは「2」でプレイして下さいとなったわけ。
 いくらなんでもそれはないやろ。最低限のお約束ってあるやんか。

1996/12/18

アークザラッド2 (後)

 このソフト、前作の評判の悪さにもかかわらず、大ヒット。またたくまに五〇万突破。発売に先立って前作を廉価版で出したら、これもヒット。
 考えられる理由は二つ。まず、それでもやっぱりRPGをしたいプレステユーザーが、今度こそきっとと淡い期待のもとに買ったこと。何故なら、プレステオリジナルのRPGで、クソゲーでないのは未だにないから。二つ目は、プレステが初めてのTVゲームである世代が台頭し始めたこと。彼らにとっては敷居の低い「アーク」は面白いに違いない。
 プレステにとってファミコン世代のユーザーは小姑みたいなもん。その意見に引きずられるより、新しいユーザー向けのソフトにシフトしたほうが賢いと、ソニーは考え始めたのかもしれない。だとしたらそれは正しいと、小姑の私は思う。小姑から見れば今回のもイマイチやからね。
 前作の続編といいつつ、仕切り直しをしたかったからか、アークやない別の主人公、エルクを立てている。要するにプレーヤーは、続編であるにもかかわらず、前作で努力して育てたキャラをすぐには使えず、また一から別のキャラたちを育てるはめになっている。そして彼らが前作のキャラたちと同じほど成長したときに、前作の主人公たちは登場する。で、最初は反発しつつも、エルクとアークは仲間になるって段取りやけど、それって都合良すぎません? 
 え? 小姑のいびりなんぞ、シカトでっか。
 うん、正しい。

1996/12/25