わたしジャネット1年生よ

イルメラ=フレンダー:作/上田真而子:訳
偕成社

           
         
         
         
         
         
         
         
    
 ジャネットは一年生です。
 両親がいないので、おばあちゃんと暮らしています。
 そうしてジャネットは自己主張がきちんとでき、もうすでに七歳にして自分がしっかりある子どもです。理想的でしょ?
 でも、どの子どもだってホントはそうなんだよ。それをつぶすか大きくするかは周りにいる大人の出方次第。
 て、ジャネットの場合、駐車場で遊んでいて怒られたときに、「だって子どもの(私の)遊び場がないのよ」と言ったジャネットに対し、その主張は正しいと認めたおばあちゃんは駐車場を一台分借リてくれました。
 これで管理人は、ジャネットを怒鳴れなくなりました。
 ジャネットが友だちのお母さんに傷つけられて帰ってきたときにも、おばあちゃんは〃ジャネットはとても腹を立てているので学校には行けません〃という手紙を書いてくれました。
 ジャネットは自分の気持ちの整理を自分でつけられるようになるまで、たっぷりと考え、時間を使うことがてきました。
 確かにジャネットは賢い子です。
 でも、このおばあちゃんの育て方なしには、七歳の子が、七歳でできるところまで存分に成長することはできなかったでしょう。
 彼女はある意味ではもうすでに一人前です。
 基礎がしっかリ出来上がっているので、この先、たいていのことは切り抜けることができるでしょう。(赤木かん子)
『かんこのミニミニ ヤング・アダルト入門 図書館員のカキノタネ パート1』
(リブリオ出版 1997/09/20)