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子どもと動物と友だち……という三題ばなしを描かせたら右に出る者のないスティーブン・ケロッグの絵本です。 ある時、ロバートが学校から帰ってくる途中、カバが一頭ついてきたの。 ロバートはカバが好きだったので、とても喜びました。ところが次の日ついてくるカバは二頭になり、その次の日は四頭になり、十六頭になり……というわけで、さすが寛大なロバートの両親も、もうダメだ、と出かけてく先が魔女のとこ、というのがこの本のすごい展開です。で、その魔女が、カバを消すクスリ、あげてもいいけどこのクスリには副作用が……って何度もいいかけるのを、このお父さん、しゃにむにもぎとってきちゃうわけ。 で、結局そのクスリでカバはスッパリ消えて、お父さんとお母さんは大満足、ロバートはちょっぴり淋しい……。 でもその副作用というのが……というわけでこの結末はページをめくるお楽しみ。 こういうタイプのお話は本当に絵本という形式でしかできないわけで、いつもケロッグの絵本をみるたびに思うんですが、ホント、これって作者が思うぞんぶん楽しんで描いてるよね。 線ののびやかなこと、動物たちの表情のいいこと……すっとぼけたのどかな展開とユーモアは何度読んでもあきません。 ついてる文章のスピードではなく、絵を眺めるスピードで、ページをめくり、眺めてよんで楽しんでください。絵本というのはセリフではなく、セリフと絵の語る、いうにいわれぬ間、を楽しむものなんですから――。(赤木かん子) |
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