めざめれば魔女

マーガレッ卜・マーヒー作
清水真砂子訳 岩波書店

           
         
         
         
         
         
         
     
 今、ヤング・アダルト文学の代表は誰か……!? ということになると、誰をあげても文句がきそうですが、一番パッと華やかで人目を引いて、印象が強いのは……やっぱりマーガレット・マーヒーでしょう。
 彼女がアメリカ人でもイギリス人でもなくニュージーランド人だということは……ちょっとおもしろいことです。
 ヤング・アダルトタイプの物語を書き始め定着させたのはイギリスのピアスとアメリカのカニグズバーグですが、三十年たった今、マーヒーの本たちと並べると、やはリどことなく古風です。
 『クローディアの秘密』はあくまでも小学生が対象ですが、マーヒーの主人公たちはもっと年上……『めざめれば魔女』のヒロインはティーンエージャーでロマンスだって入ってくる年頃です。
 虐待されたために、強力な魔法使いではあるけれども感情がマヒしてしまっているソリーと、魔女の血が流れてはいるけれどもまだ覚醒していないヒロインが二人して、邪悪な魔法使いから弟を取リ返す……というのが縦糸のあらすじで、自分たちだけが他の人と違う、異分子である存在が仲間を見つけ、共感しあうことで片っぽは力をつけ、片っぽは傷を癒していくというのが、いわば横糸の物語で、この本は過不足なく、とてもきれいに織り上がっています。
 おそらくこの二人は結婚するでしょう。それほどこの二人は他の同志、を見つけることは難しく、また結婚できる安定したレべルまで、この事件を乗り越えたことて到達した、といっていいと思います。(赤木かん子)
『かんこのミニミニ ヤング・アダルト入門 図書館員のカキノタネ パート2』
(リブリオ出版 1998/09/14)