花ふぶき 江戸のあだうち

舟崎克彦/文 橋本淳子/絵
文渓堂 1994

           
         
         
         
         
         
         
    
 タイトルと、表紙を眺めていただければお分かりになると思いますが、これはなかなかに凝った本です。
 スズメのお女中がやっと親のかたきをさがしあてたはいいが、にらまれて気を失ったため、正義の士、犬丸左近がかわって夜猫又衛門をうとう、というお話を舞台の上で演じている、というのを絵本にした……という次第−。
 "どうする、どうする、どうする"というセリフの字がだんだん大きくなっていったり、絵本でできるおもしろさをふんだんに取り入れた洒落た遊び心あふれる一冊、なのですが、あんまり売れていないかも……しらん。
 講談口調で読まないとおもしろくないし、この絵本はできれば男の人に読んでいただきたい……子どもの前でさ。子どもはね、え〜、カブキ〜?なんていわずに案外楽しんでくれると思います。(赤木かん子 『絵本・子どもの本 総解説第5版』)
テキストファイル化天野真美