トイレが読書室になった

藤田千枝:著
ポプラ社

           
         
         
         
         
         
         
    
    
 夏休みのお手伝いに、トイレの掃除した人いるかな?このごろ楽しく工夫して、気持ちのよい公衆トイレもたくさんあるね。水洗トイレが生まれるまでにも、いろんな歴史や工夫がありました。この本は、それを図や絵でわかりやすく教えてくれます。またとても便利に思える水洗トイレが、残念なことに地球を汚すお手伝いをしていることにも、気付かせてくれます。地球上の生物が生き続けるために必要な「土と水と緑」を、これからも豊かに保っていくにはどうしたらいいのでしょう?
 以前、日本では、し尿を肥料にしていました。それを土の中の小さな生き物が食べ、分解してふっくらとしたよい土にしていたのです。そしてこの土が生み出すものを人間が食べ、そのし尿がまた田畑にかえるというしくみ(物質循環)で暮らしていました。いま宇宙船で、この物質循環を利用する研究が行われています。スペース・シャトルのトイレがどんなかを想像しながら、「宇宙船地球号」の未来も考えてみませんか?
(順)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化上久保一志