そらにかえれたおひさま

ミラ・ギンズバーク/文 ホセ・アルエーゴ、エーリアン・デューイ/絵
さくまゆみこ/訳 アリス館 1976

           
         
         
         
         
         
         
    
 ソ連生まれで小さい時にアメリカに渡り、翻訳と編集をしているミラ・ギンズバーグの絵本です。
 これはスロバニア地方の民話をもとにしたおはなしで、雲がひっついてとれなくなったお陽さまのために、勇敢なひよこたちがはるばるとお陽さまの家まで旅をして、お陽さまのおそうじをするお話です。お陽さまがいないと、寒いからね。
 可愛らしいけれども、深くて豊かな絵がついていて、とても楽しい絵本に仕上がっています。
 おなじ作者のものでも(188ページの『みんなおやすみ』という絵本をみてもらえればおわかりでしょうが)ついてる絵によって、こうも違うのかと驚くほどのできばえです。むろん、どっちもいいのよ。で、こういうのこそ、編集者の腕のみせどころっていうか、醍醐味なのよねえ。
 縁の下の力持ちのかたがたのことも、お忘れなく。(赤木かん子 『絵本・子どもの本 総解説第5版』)
テキストファイル化 角田佳代子