スキーを はいた ねこのヘンリー

メリー・カルホーン/文 エリック・イングラハム/絵
猪熊葉子/訳 リブリオ出版 2002

           
         
         
         
         
         
         
    
 後ろ足で立って歩くのが趣味のシャム猫のヘンリーのために、飼い主の男の子は山の家に行ったときに小さいクロス・カントリー用のスキーとストックを作ってあげます。
 もちろんヘンリーはイヤがりましたが、あとでこれがね、大変役に立ったのです。
 忘れ物をしたのに気がついたヘンリーが家の中へ取りに行ってるまに、知らずに車は出発してしまったからです。
 ヘンリーにはみんなが探しにきてくれるとは思えませんでした。特に運転してるのはお父さんだし、お父さんは、ねこがあんまり好きじゃないんですから───。
 このままじゃ死ぬな、と思ったヘンリーは、スキーで自力脱出する決心をします。この、利口でクールなヘンリーは、新しいタイプの現代っ子です。どうぞヘンリーをみなさんも愛してくださいますように───。いくら賢い子でも、やっぱり愛されたほうが、嬉しいんですから───ね。 (赤木かん子 『絵本・子どもの本 総解説第5版』)
テキストファイル化 角田佳代子