十四ひきのひっこし

いわむら かずお 文と絵
童心社

           
         
         
         
         
         
         
    
    
 「おとうさん おかあさん おじいさん おばあさん そして きょうだい十ぴき ぼくらは みんなで 十四ひき かぞく」
 こんな文章で始まる野ねずみ一家のお話です。
 あたり一面切り株だらけになった土地を離れ「もりのおく めざして さあ しゅっぱつ 十四ひきのひっこし」です。
 山を登り、川を渡り、野宿しながら、「やっと みつけた すてきな ねっこ」
 「みんなで ちからを あわせて」、家を作り、水を引き、橋を作ります。そして、やっと訪れた「しずかな よる」。再び、安息の日が戻ってきました。
 十ぴきのねずみの兄弟には「いっくん」から「とっくん」まで名前がついています。しっかりものあり、あわてんぼうさんあり、一匹一匹が愛すべき子どもたちです。
 森のスケッチがきめ細かく色鮮やか。大自然のぬくもりを感じます。絵本の魅力は、まさしく「絵」そのものにあると納得させられる一冊です。
 (敬)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化塩野裕子