自分を好きになる本

パット・パルマー

eqPress訳、径書房


           
         
         
         
         
         
         
    
 「友だちがほしいと思ったら・・・、まず、ひとりで自分の大好きなことをやってみること。/たとえば/子ネコと遊んだり/イヌと散歩したり/歌をうたったり/(略)木登りをしたり/ニコニコしてみたり、ね。」
 今回おすすめの『自分を好きになる本』(パット・パルマー著 eqPress訳、径書房・1545円)は、こんなふうに始まる。著者のパット・パルマーさんは、アメリカのコロラド州で子どもたちの「アサーティブ・トレーニング」にたずさわっているのだそうだ。
 「アサーティブ・トレーニング」って耳なれないことばだけれど、相手を傷つけることなく自分を主張する訓練のこと。〈ありのままの自分や他人を認め、自分の中にあるPower(力)を信じて、ひとつひとつの出来事に対処していくための方法論〉と紹介されている。この本はそのテキストとして、子どもたちのために書かれたもの。
 ゆっくりと声に出して読みながら、ところどころで「変えてみたいなっと思っていることがある? 絵でもいいよ。」なんて書いてあるのをやってみる。自分の〈きもち〉に耳をすまし、からだからのメッセージを受けとる。自分のいいたいこと、やりたいことは何なのか。〈きもち〉をひらいてじっと見つめてみる。
 落ちこんでしまったとき、もやもやした気分のとき、なかなか効きます。(芹沢清実)
朝日新聞 ヤングアダルト招待席1991/11/17

テキストファイル化 妹尾良子