教科書の詩をよみかえす

川崎洋:著 筑摩書房

           
         
         
         
         
         
         
    
    

 詩を読むと楽しい。いろいろ考えがわいてきて、胸いっぱいあふれてきます。
 でも「教科書の詩」を型通りとだけ思っている人は多いはずです。が、この本を手にしたら、きっと驚くことでしょう。えっ!こんな詩もあるのかと新鮮な感動に出合うことを保証します。
 (略)あめは ざんざん ざかざん ざかざん/ざかざん ざかざん/ざんざん ざかざか/つぎから つぎへと ざかざか ざかざか/みみにも むねにも しみこむ ほどに/ぼくらの くらしを かこんで たたく(あめ 山田今次)・「新版国語 五年上」 とりあげた詩の一つ一つにつながる、目をみはるようなあざやかな新しい世界が、詩人川崎洋さんの言葉で語られています。
 気がつくと/父を 母を ふんでいた/父も母も それぞれ/祖父を 祖母を ふんでいた(略)(人間ピラミッド・北原宗積)
 同じ作者の、教科書とは別の詩が紹介されて、教科書にのった詩を読みなおしたくなるページにもぶつかります。 小学校・中学校・高校の国語教科書 にのっている詩。そのなかから選んだ三十一編のそれぞれに添えられた文章は<解説>とは全く違ってあなた自身の<発見>をひきだしてくれることでしょう。詩の作者の短い紹介と掲載された教科書の案内がついています。(仁)=静岡子どもの本を読む会
テキストファイル化渡辺みどり