こんな学校があるよ

名取弘文著


ポプラ社 1997


           
         
         
         
         
         
         
         
    
 ユニークな教育実践で知られる名取先生の教室風景が、まるでユーモア小説のようなおもしろさで展開する。 
 「これ、本当の学校の話?」と、読者の子どもたちは半信半疑の気分で読み続けることになるのではあるまいか。 
 まず、トビラのカラー写真がいい。色とりどりの帽子、ビニールの浮輪を使っている子もいるし、水鉄砲やシュノーケルで遊んでいる子もいる。 
 キャプションはこうだ。「遊園地のプール? ちがうよ、学校の水泳の授業だよ」  ザリガニをつりに行ったり、木の実拾いをしたり、名取学級は学校の外に出るのが好きだ。 
 拾った木の実は、算数の勉強にも使うけれど、最後には皮をむいて、フライパンで焼いて食べてしまう。 
 教室には、お母さんたちがやってきて紙芝居をしてくれたり、アイヌの人たちが踊りを踊ってくれたり、いろんな人がきて、いっしょに勉強してくれる。 
 「スーホの白い馬」という物語を勉強したときは、なんとモンゴルの弦楽器といわれる馬頭琴の演奏まで聞いたのである。 
 証拠の写真がある。これは本当のことだ。一九九五年度のある小学校の二年一組の一年間の「教育実践記録」なのだ。 
 どうすれば、学校はこんなに楽しくなるのか。おとなも子どももいっしょに考えたい。(斎藤次郎)
産経新聞 1997/08/05