アタック! ひいばあちゃん

石神悦子作 長野ヒデ子絵

大日本図書 1998

           
         
         
         
         
         
         
     
5年生の薫は同居しているひいおばあちゃんが大好き。
バレボールのエースアタッカー、元気一杯でトムボーイな薫を、ひいおばあちゃんはうらやましげ。
「今度生まれ変わったら、かおちゃんのような元気な女の子になりたい」なんてね。
ところが、同じ部屋で眠っているとき地震があり、二人の心は入れ替わってしまう。
元気なひいおばあちゃんとなった薫。
薫は、せっかくだから、私になって元気な女の子をやるように、ひいおばあちゃんをはげます。けれど、気弱なひいおばあちゃん、ベームでもミスばかり。これではいけない。バレーの大会が近づき、二人は特訓をする…。
入れ替わり設定はよくあるもので、有名なのは山中恒の「おれがあいつで、あいつがおれで」(大林監督の「転校生」の原作)ですが、だからこの物語、別に新しいものでもないけれど、そうした、ありそな設定で、どういうメッセージを彫刻するかが物語のツボ。
『アタック! 』は、「今度生まれ変わったら、かおちゃんのような元気な女の子になりたい」という、ひいおばあちゃんの願望を結構うまくすくっている。(ひこ・田中 )
メールマガジン3号1998/03/25