アホウドリと大あほうどり

長谷川 博:文と写真
田口 智子:絵 学習研究社

           
         
         
         
         
         
         
    
    
 「あっ、ひなが飛び立った」「ついに見たぞ」
 アホウドリのヒナの巣立ちを目撃したのは、おそらく僕たちが世界ではじめてだろう―。大あほうどり先生はこう書いています。
 大あほうどり先生こと長谷川氏は静岡市相渕の出身。
 小さい時から山や川で昆虫や魚とりをして遊んでいた少年は、将来農業試験場の昆虫技師になろうとしていました。が、イギリス人のティッケル博士に出会ってからアホウドリにのめり込んでいきました。
 本書は、テレビ取材チームの人たちと先生が、アホウドリの繁殖地である絶海の孤島・鳥島に上陸するところから始まります。先生は大学で教鞭(きょうべん)をとりながら、絶滅にひんしているアホウドリを保護するため、環境庁などにはたらきかけたり世界をかけ巡ったりしていきます。鳥を守ることが、美しい地球を取り戻すことだという確信のもとで―。
 アホウドリに会いにアラスカ湾に行くところは、わくわくするような喜びや手ごたえが伝わってきます。夢とロマンがあふれるノンフィクション物語。
 (朝)=子どもの本を読む会
テキストファイル化山本京子